〖完〗子ども警察官の精華

　体育館に入る直前、シューズのまま外に出たことに気が付いた。

　皆に見つからないよう、こっそり雑巾で底を拭いた。


　それから、入った。

　碧がいないと、部活がまとまらないものだ。

　未来でさえ、友達としゃべりまくり。

　鈴乃も。

　精華は、喋る相手がいないので、気分転換素振りをした。

　苦手なコースを徹底的にやった。


　回りは皆、おしゃべりに夢中だ。

　中には、ラリーをしながら喋っている。

　息苦しくて無理。

　素振りやっている人は、精華のほかに、二人ぐらいかな。

　それにしても、碧が来ない。