〖完〗子ども警察官の精華
 ひたすら走り続ける。

 三十代の前半だが、いきなり走り続けるのはちょっときつい。

「へぇ、へぇ、へぇ。」

 じめじめとした暑さが、体力を余計に消耗した。

 へろへろだけど、走り続けなくてはいけない。


――精華はどこだ!!――

 その瞬間、水色のブレザーとチェックのスカート着て、水色のカチューシャをつけているショートカットの女の子が見えた。

「精華。」

「あっ、主人。」

 精華だった。

「ごめんなさい。早く歩けなくって。」

「俺のほうが、謝らなきゃいけないよ。とにかく行こう。」


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