〖完〗子ども警察官の精華
 一年五組の教室に入った。

 
 同じ制服を着ていて、なんか変な気持ちになる。

 
 黒板に貼られている、座席表を見る。

 一列だけ六つの座席で、あとは五つ。

 精華は廊下側から数えて四列目。

 前から二番目だ。


 そこに座ると、見慣れない顔に戸惑うばかりだ。

 この中にホシはいるのだろうか。

 まだ分からない。

 まだ、ここでの生活は始まったばかりだ。


 精華は待機している間、ここでの事件を振り返った。

 
 発端は今年の三月。

 ある朝二年生の教室で、爆竹事件が起こった。



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