〖完〗子ども警察官の精華
 焦げ臭い匂いが、漂っていた。

 おそらく、体育館周辺のどこかが燃えているのだろうか。


――事件発生!!でも、ここで駆けつけたら・・・。――


 子ども警察官の存在が、ばれるかが心配だった。

 精華は、悔しかった。

 新しい制服のスカートを、ぎゅっと握り締めるほど。


 でも実際は様子を見たくて、うろうろ立ち歩いている人がいた。


 ざわめき声がだんだんうるさくなる。


「皆さん、冷静にしてください。」

 教務主任がそう言っても、なかなか収まらない。


 どんどんうるさくなっていく。


 それから、五分ぐらい経って。





< 23 / 209 >

この作品をシェア

pagetop