〖完〗子ども警察官の精華
 クラスの半数弱が帰った頃。

「棚岡さん。皆が帰ったあと、お話していい。」

「あっ、はい。」

 望恵に帰らないように言われた。


 そのまま待って、精華を除くクラスの皆が帰って。


「じゃあいいかな。」

「はい。」

「入学式に起こった火災事件についてだけど、
棚岡さんは立ち会えなかったから、どんな様子だったのか話すね。」

「はい。」

「火災が起こったのは、推定で午後一時半。紙に火をつけたみたいだね。」

 精華はこのことをメモにとる。

「警察が来てまた調べてくれるから、
御船さんからまた話を聞いてね。」


――それだけ!?――

 精華はずっこけそうになった。

「あと、もう一つ伝えることがある。」

「はい。」

「大変かもしれないけど、皆のために頑張って。」

「分かりました。」

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