〖完〗子ども警察官の精華


「あれ、ここは?」
「おまえ、気付いたか。」

 異様な感触がする。
 
 壁より軟らかくて、新品のタオルよりはるかに硬い。

 紺色のブレザーが見えた。っということは?

「えぇぇぇ・・・・・・?」


 気が付いたら、精華は蓮太に抱かれたまま気を失っていた。

 恥ずかしさのあまり、反射的に手を離した。


「最後に言っておく。付き合ってくれ。」

 精華は黙り込んでしまった。

「棚岡。」

「あっ、ごめん。答え、あとでいい?」
「いいよ。」

 精華は、その場を去った。


――なぜ、意識を失ったの?――


< 51 / 209 >

この作品をシェア

pagetop