〖完〗子ども警察官の精華
 自分で、暗闇の中を手探りに探さなくてはならない。

 見つかるまで、性格は分からない。

 周りからの期待。

 余計に焦る。

 もし、解決できなかったら?

 とんでもないことになる。


 思い出すだけでも、泣きたくなる。

 そして、さらに怖くなる。


――本気で逃げたい。

  命をなげうっても。

  どこか、遠いところでひっそりと暮らしても。

  もう、方法があれば何でもいい。

  ただ、法律違反だけしなければ。――


 精華の頭の中は、そのことでいっぱいだ。

 でも、できない自分がみじめに感じた。


 
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