〖完〗子ども警察官の精華
 家に帰ったら、珍しく主人がいた。

「お帰り精華ちゃん。」
「ねぇね。」

 聖名子が喋った。

 しかも、精華のことをお姉ちゃんと思っている。

 だが、そんな喜びもつかの間。


「いきなりだけど、今日学校で事件が起こったよね。」
「はい。」

「精華は立ち会った。」


――やばい、ここは・・・。――

「いいえ。無理でした。」
「なぜだ。」

「先生が、生徒たちを立ち入れないようにしていたのです。
うちも例外ではありません。」

「そうか。今回も無理だったのか。仕方ないか。」


――もう、よかった・・・。――


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