〖完〗子ども警察官の精華
「では、今日の事件について話そう。」
「ちょっと待ってください。」

「あぁ、ノートに取りたいのね。」
「はい。」

 二階の精華の部屋に行った。

 机の引き出しの中には、しわくちゃになった事件ノートが。

 
――もう、逃げないからね。絶対。約束するから。――

 ノートを手に取ると、ふと悲しみがわいてきた。

 今まで事件を解決しようとしなかった自分が、みっともない。

 責めて、責めて、自分が苦しい立場に追い込まれる。

 それを、見ているもう一人の精華が、悲しい思いをする。


――あっ、早くしないと。――

 慌てて一階に下りる。

 もちろん、ノートも一緒だ。

「ノート取りました。」
「よしOK。」


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