〖完〗子ども警察官の精華
 シャーペンと、消しゴムを手にとって。

「じゃあいくぞ。」
「はい。」

「今回も放火。推定で、午後二時四十分に起こった。
前回と違うのは、人がやけどを負った。」

「・・・・・・えぇぇ!!」

「被害者は二年生の宇多田 理子(あやこ)だ。」

「宇多田先輩が?」

「何か知っていることはあるか?」
「部活の先輩です。」

「ほうほう。それで。」
「うまいし、次期部長だと噂されていて。」
「そうか。」


――本当に?宇多田先輩が巻き込まれれるなんて。

  もし、その前に解決していれば・・・

  宇多田先輩はやけどせずにすんだ。――

 精華は、改めて自分の罪を認識した。

 頭を抱えるほど、大きな罪を。




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