〖完〗子ども警察官の精華
「次に、立川先生は事件現場にいましたか。」

「そうね。福見さんの声で私は向かった。」

 望恵も気持ちが高ぶったのか、一呼吸おいた。


「そうしたら、すでに他の先生がいた。」

「他の先生って、誰なのか覚えてますか。」

「そうね、仲川先生、片桐先生そんな感じかな。」

 片桐和樹のことだ。

 野球部顧問で、一年生の理科担当だ。


 精華は、ノートに書きながら、質問を続ける。

「宇多田先輩の様子は見えましたか。」

「そうね、宇多田さんの様子を見たとき、記憶がすっとんだからね。」

「でも、記憶にありませんか。」

「う・・・ん・・・。」


――先生、お願い。――


< 78 / 209 >

この作品をシェア

pagetop