恋形

"ガラクタよ"

羽流と次郎二人は公園に戻ってきた

羽流「彼女、幸せになってほしいですね」

次郎「はい!これでいいんです。幸せになってくれれば」

羽流「あっ!それじゃあ
今度は僕からのお願いを聞いてくれますか?」

次郎「よろこんで」

"僕のたった一つのガラクタよ"

墓地では紀子と男が手を繋いで去っていく
その時
紀子は墓石を見て
涙をこらえながら
ニッコリと微笑んだ幸せだと
言うように

"誰にも渡さないよ いつだって忘れないよ"

羽流はカメラを構えている
その先には亜紀と埋めたタイムカプセルの場所と
すぐ横には次郎が立っている

次郎「本当に僕が写っていいんですか?」

羽流「いいから!いいから!
では撮りますよ!」

カメラのシャッターが切られた
カメラにはタイムカプセルの場所と
次郎が立っていた場所には一輪のマーガレットが咲いていた

"僕の大切な 大切な"
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