恋形
唯へ

"君を守る……"

喫茶店ピース
いつもの席に考太が座っている
なにか落ち着かない様子で腕時計をしきりにみている

"その言葉に嘘はないよ…"

唯もまた自宅に居るものの落ち着かない様子だ
テレビをつけているが内容が頭に入ってない

唯「はぁ〜…」

深くため息をつき自分を落ち着かせることしかできない

"だけどね……少しだけ不安な気持ちも嘘じゃないよ"

喫茶店ピースの店の前に一台のタクシーが止まった
タクシーの中にいる男は運転手にお金を払いタクシーを降りた
ピースの店内を外から窓越しに覗き込む
考太は腕時計を見ていた

"でも……大きな声で君に誓うよ"

男がゆっくりとピースの扉を開いた
考太は店の扉に居る男を見て立ち上がる
その目はとても険しく怒りに満ちあふれていた

"たとえ君が間違えていたとしても…"

男も考太を見る……
二人はしばらくの間睨み合っていた

"ぼくは君の味方になる"
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