恋形

今日は夫と孫の命日
その日に孫と同じ名前の亜紀
二人は思った
もしかして今日お婆ちゃんは…………

死のうとしている!!

亜紀はおさえきれずにいった

「お婆ちゃん!!ダメだよ!!死んだらダメだよ!!」

それを聞いたお婆ちゃんは驚いた
だけど、どこかで安らぎもあった

「おゃおゃ、どうして、わかったんだい!?やっぱり、あきちゃんはやさしい子だねぇ」

亜紀「ダメだよ!!お婆ちゃん!!死んだらダメなの!!」

叫ぶような声で亜紀は言った

羽流は……黙っていた
ミチお婆ちゃんの気持ちが少しわかるからだ

ミチが呼んだタクシーがウチロの前に着いた
ミチは明男といた、その場所で死のうとしていた
ミチは、とてもやさしい顔をして店を出てタクシーに向かうとき
羽流にウインクをした
とても幸せだと言ったかのように

亜紀は泣いている

ミチがタクシーに乗ろうとしたとき
亜紀が泣きながらミチの腕を掴んで言った
< 17 / 133 >

この作品をシェア

pagetop