恋形

「でも!!」

羽流が口をはさんだ

西田は、それを制して話す

「確かに!!確かに欲求はある!
おしめを取り替えろ
ミルクをよこせ
でも
それをしていれば赤ちゃん達は私たちに限りない愛情をくれる
だから、私たちも彼らに愛を与えられる
だけど、どうだい!大きくなるにつれて自我が目覚め
自分の欲を満たしていく
しかし、その欲が満たされなくなると
人間はどうすると思う??」

羽流「………」

考えてみるが答えがでてこない

西田「暴走するのさ
その結果が戦争だ!
テレビが流れている戦争は
嫌だと震えている銃を持たない人々に武器を与えてみろ
彼らは、その武器で人を殺す
自分を守という欲の名のもとに!
争いは終わらない…
欲と名のつくものは全て目に見えるものだ」

羽流は何か言いたかったが言い返すことが出来なかった

西田は
イスに座ったロボットのほうへ歩いていく
そして話を続けた

「その点ロボットは欲がない
さいげんなく私たちに愛を与えてくれる
与えたのだから、よこせ!!という欲求もない

私たち人間はロボットによって愛に辿り着ける!!」
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