恋形

助手「目が見えた奥さんは
それから、いろいろな事を覚えました
何も知らない無邪気な子供のように
そして一人の男性と恋をして駈け落ちしてさまいました
その後の博士は研究に没頭し
あのロボットを作ったんです
そして今日が完成日です」

羽流は苦しくなった
博士は、きっと奥さんを愛しているんだ
かぎりなく純粋に
人間に欲は必要ない……

助手「あのロボットも、どこかしら奥さんに似ています」

そう言って助手は部屋から出ていった

その時

「おい!!藤井君!!」

西田の呼ぶ声がした

羽流は小さな部屋を出て
西田のほうへ歩いていく

いよいよロボットが完成したらしい

西田はスイッチを握り締めロボットを見つめている

西田のもとに着いた羽流に話し掛ける

西田「藤井君、やっと完成した!!あとは、このスイッチをONにすれば彼女は動きだす」

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