恋形

別室

医者から聞かされた言葉は和彦の予想どおりだった

「今夜が山です、少しでも奥さんの側にいてあげてください」

和彦の頭の中は真っ白になっていた

12月25日………深夜

病室で眠る今日子のそばで寄り添う和彦
愛しそうに今日子をみつめている
その時
今日子が目を覚ました

和彦「今日子!!大丈夫なのか?」

今日子は、ゆっくり静かに話す

「大丈夫だよ」

和彦「今!今!!先生呼ぶからな!!」

病室を出ていこうとする和彦を今日子が止める

「待って!!和彦、大丈夫だから少しだけ、そばにいてほしいの。そこのイスに座って」

和彦「で、でも」

今日子「おねがい」

不安な顔でイスに座る和彦

今日子「ありがとう」

その言葉を言って静かに和彦を見つめる今日子
やがて、ゆっくりと話しだす

今日子「ごめんね。私、事故なんか起こしちゃって
ヘマしちゃった」

和彦「大丈夫ならいいんだ、そんなことより先生を」

今日子は和彦を制する

今日子「大丈夫だから、少しの間、何も言わず聞いてほしいの」

和彦は今日子の言葉の意味がわからなかったが
今日子の言うとおり静かに聞いた
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