恋形
今日子は続ける
「きっと、私は他の誰よりも幸せだったでしょう
くじけそうな時、和彦の言葉で励まされ
和彦の笑顔に支えられ
和彦の大きな手で守られて
和彦の声で私の居場所を教えられて」
今日子の容態が悪化していく
今日子は声をしぼりだす
「それなのに、それなのに私は、和彦に何をしてあげられたのか、わからない……本当に…ごめんなさい…私は、あなたの和彦の力にはなれなかった…咲季にも迷惑をかけてしまっているし
こんな私と一緒にいてくれてありがとう
私の人生は、あなたで
私の歴史は、あなたで
私のすべては、和彦でした」
容態が悪化していく
今日子を見て和彦が声をあらげる
「何、言ってるんだよ!今日子!おまえは生きるんだよ!これからも、ずっと一緒に生きていくんだよ!生きなきゃダメなんだよ!!」
今日子の息が荒くなる