恋形

園長「それから、2ヵ月後
和彦さんも今日子さんの後を追うように病気で亡くなられたの
そして、昔からの友人だった私が咲季ちゃんを
あずかったの」


話を聞いていた亜紀は悲しくなった

園長「そして、あの指輪は和彦さんが今日子さんのために買ったクリスマスプレゼントを咲季ちゃんに渡したの
形見みたいなものかしらね」

亜紀は、すべてわかった
あの指輪をお母さんと呼ぶこと
お母さんとお父さんが死んで星になったと聞かされたため
家は上にあると言ったこと
そうだ
そして、クリスマスの日
街の中を走り回っていたのは
お父さんが渡せなかった
お母さんへのプレゼントを渡すためだ
咲季ちゃんはサンタになるつもりだ
亜紀は思う
さっちゃんは、本当に本当に幸せだったんだ
そして、お母さんとお父さんは
とても愛し合っていた
咲季に伝えたかった

もう、いいんだと

お父さんとお母さん二人は愛し合い通じたから
あの指輪は咲季がもっているべきだと

亜紀は、いてもたっても居られなくなった
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