恋形
亜紀「覚醒剤………」

亜紀はその言葉を聞いて愕然とした

羽流「覚醒剤…覚醒剤なら、なおさら彼女を止めるべきじゃないか」

男「私は、ただ純粋に愛する人の喜びを求めます
愛する人が覚醒剤を使えない苦しみを味わうのなら
私は愛する人へのやすらぎ、くつろぎ、喜びをも与えたいと思っているのですよ」

羽流「狂ってる……」

男「えっ??」

亜紀「そうよ!あなたの言う愛は狂ってる!」

男「ならば亜紀ちゃん……君ならば覚醒剤をやめさせると?」

亜紀「えぇ〜!やめさせる!それが本当のやさしさでしょ?この世で唯一の愛でしょ?」

男は笑う

男「あはは、だとしたらだよ!だとしたら亜紀ちゃん!!君は羽流君の苦しむ姿を見ていられるのかい?」

亜紀「えぇ〜一緒に苦しみ、癒していくわ」

男の笑いは止まらない

男「くっくっくっ!羽流君、君ならどうだい?愛する人が苦しむ姿を見ていられるかい?」

亜紀の前に座っている羽流は曇った表情だった

羽流「オレも……一緒に苦しみを………けど……でも……」

事件から1時間以上経過した立てこもり現場の
駐車場にはマスコミも駆け付撮影していた
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