青空色のタイムリー
 幼い自分を思い返すと、空のことばかりに意識が走っていて物のほか活発的ではなかった気がする。空に憧れ空に溺れた少年、空を飛ぶ夢も、つかむ夢も、成長していくに薄れていった残留。今なお屋上に来るのは未練なんだと解かってはいる。すなわち憧れ。

「あなたもですか? 私もです」

 リスのようにこくりと頷き、自分も好きなんだと主張しあざとく空を見つめる。

「青山はいつから空に興味を持ったんだ?」

 僕は小学生の頃だろうか、高学年に上がるまで夢中に追い掛け回し、届かぬ高さにあきらめもしなかった。その点言えば活発だったのかもしれない。

「高校三年生に進級した頃でしょうか」

 いやは先日のことみたく話す。
 けど、実際は今年のことなのだから最近とも言える。
「曖昧な時期に好きになったもんだな。これから忙しくなるだろうに」
 卒業に自信があれどその他はせかされる筈。就職活動にいそしむか、大学合格にむけて努力するか。
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