だぶるっ!!
「翔太君っ!!ついに、お弁当を一緒に…」
「ちげーよっ!!お前が変なこと言ってっから!!」
「やっぱりツンデレ!!」
「ツン…?ってなんだ?」
翔太君が不思議そうに首を傾げる。
うんっ!!
そんな仕草もますます可愛いっ!!
「ツンデレ…。それは、“3大萌え要素”の1つで…。って、ああぁぁ~!!」
私が語り出した瞬間、翔太君は3階に向かって走り出していた。
「放置プレイなんて酷いよ~っ!!…よ~しっ、長距離は得意だもんねぇ~!!翔太君、待ちなさぁ~いっ!!」
私は、更に加速して翔太君を追いかけ…。
追いかけ…。
あれ?おかしいな?体が前に進まないぞ?
「少し落ち着いたら?恋奈」
「愛ちゃん!!」
いつの間にか、私は愛ちゃんに首根っこをつかまれていた。
だから、前に進まないわけだ。
「恋奈…。いつも言ってるじゃない。恋は駆け引きだって…。押すだけじゃダメ。時には、引かなくちゃ」