だぶるっ!!
君の存在 恋奈side
お弁当作戦のおかげか、私と翔太君との距離はかなり縮まった気がする。
廊下で会っても逃げなくなったし、逆に軽くだけど会釈もしてくれる。
愛ちゃんが言うには、私が追っかけを止めたのが理由らしい。
私にとって“追っかけ”は、“お弁当を一緒に食べる”為の手段だったから、目標を達成したから止めるのは当たり前なつもりだった。
だから、愛ちゃんやクラスメートから「もう、追っかけやらないの?」と言う質問には疑問が消えない。
私には元々、“付き合いたい”とか“デ―トしたい”という欲が無いから、距離が縮まったところでどうかするつもりはなかった…はずだった。
でも、最近欲が深くなっている自分に気づく。
もっと話したいなぁ~とか、お弁当をまた食べてもらいたいだとか…。
細かいことを言っていくとキリが無いくらい。
そんな自分をワガママだと思うし、愛しいとも思う。
でも1番は怖い気持ちが大きい。
自分の欲に歯止めが利かなくなりそうで、怖い。
それは、君の存在が大きくなっていくのを実感しているから、かな?