だぶるっ!!
「あ、いたいた!!恋奈」
後方から、人気者の幼なじみの声が聞こえた。
振り返ると、息を整えながら私に近づくま―くんの姿があった。
「ま―くん、どうしたの?」
私がキョトンと首を傾げると、ま―くんは呆れたように溜め息をついた。
「恋奈…、忘れてるな?今日の放課後に生徒会の作業を手伝ってほしいって、今朝話しただろ?」
「あ。そうだった!!」
「全く…。大丈夫?放課後に予定とか入れてない?」
「うん。そこらへんは大丈夫!!私、基本は暇人だからっ!!」
どや顔で胸を張ると、ま―くんに鋭いツッコミを受けた。
「そこ、自慢するところじゃないから」
「ふぅ~い…」
少し口を突き出して拗ねて見せると、ま―くんの大きな手が私の頭を包んだ。
「はいはい、拗ねない」
小さい頃から、ま―くんに頭を撫でてもらうのは大好きだった。
どんな時でも、心を落ち着かせてくれる魔法の手。
いつも頭上から降ってくる、暖かな声。
とても心地良い。