だぶるっ!!
「え~。ケチ~…」
私は業とらしく口を尖らせた。
「あら~?そんな事言って良いの?恋奈」
「な、何?」
愛ちゃんの鋭い視線にギクリとなる。
「恋奈の体重ここで大声で言っちゃうよ~!!」
愛ちゃんは既に手をメガホンにして、息を吸い始めている。
「ぬをををっ!!ちょっ、それだけは止めてぇ~!!」
慌てて愛ちゃんの手を解き、止めに入った。
愛ちゃんは、誇らしげな顔で私の目の前に1本の指を突き出した。
「1個だからね」
「うぅ~…」
優柔不断な私の頭の中に、煌びやかなケ―キが浮かんでは消えを繰り返している。
「は―や―く―」
「う~ん…」
「もう行くよ~」
「ふぇっ!?ま、待って!!えっと…ショ―トケ―キ!!」
「了解」
愛ちゃんはサラッと答えると、さっさと帰ってしまった。
う…。
うわぁ~!!
何でよりによって、定番のショ―トケ―キにしちゃったのさぁ~!!
ショ―トケ―キは他の店でも食べられるじゃん…。
あぁ…。私のバカ…。