だぶるっ!!
「何が?」
少し口調が和らいだ。
「な、なんとなく…?」
「何だよそれ…」
フッとま―君の口元が緩んだ。
思わず、ホッと胸をなで下ろす。
「それより、早く決めとけよ」
「何を?」
「ケ―キの種類。今のうちに決めとかないと、恋奈また変わるだろ?」
「あ、そっか」
まぁ、結局店に行ってまた迷うんだろうけど…。
「何が良いかな~?チョコ?フルーツ?チ―ズ?う~ん…」
生徒会室に向かいながら唸り始めた。
「愛奈に頼んだのショ―トケ―キだろ?」
「うん」
「じゃあ、フルーツタルトにすれば?酸味があって甘過ぎなくなると思うよ?」
私はポンと手を叩いた。
「おおっ!!グッドアイデア!!さっすがま―君!!」
そんな事を話していると、曲がり角で勢い良く誰かにぶつかった。
「ひゃあ!!」
「うおっ!!」
「恋奈!!」
3人の声が見事にハモった。
ん?この声どこかで…?
私はぶつかった相手をそっと見上げた。