だぶるっ!!

どのくらい泣いたのか。


気がつくと、公園は茜色に染まり始めていた。


ヤバい!!


恋奈の方が先に帰って来ちゃう!!


アタシは、ポ―チからコンパクトミラーを出し、顔や髪をチェックする。


「げ…」


泣きはらした顔や、かきむしった髪はかなり酷い状態になっていた。


公園内の水道で顔を洗い、コ―ムを使って髪をとかした。



朝1時間近くかけて施したメイクは、綺麗さっぱり落ちちゃったけど仕方がない。



再びミラーでチェックをして、無理矢理口角をあげた。


「よし!」


アタシは気合いを入れてケ―キ屋へと急ぐ。



新しく出来たケ―キ屋なだけあって、行列が出来るほどのお客さんが来ていた。


「こんなことなら、また今度にしとけば良かった…」



ボソッと独り言を呟きながら店に入っていく。


「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」

清楚なお姉さんが爽やかな笑顔を向ける。


「あ、えっと…。ショ―トケ―キとチーズケ―キを1つずつ」



「かしこまりました。ショ―トケ―キとチーズケ―キですね?」


店員さんの確認の言葉にそっけなく頷く。




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