だぶるっ!!

実は、アタシはかなりの人見知りだ。



特に大人と話すのは大の苦手。



普段ク―ルに見られるのは、口下手で人見知りだからだったりする。


そそくさと代金を渡し、ケ―キを受け取ると店を出た。



ケ―キ屋から家までは直ぐそこだ。


少し急ぎ足で家路に着いた。



「た、ただいま~…」



恐る恐る玄関のドアを開けると、家の中は静まり返っていた。


「セーフ…」


どうやら、間に合ったようだ。



ケ―キを冷蔵庫に入れて、洗面所で手を洗い自室がある2階に上がった。



部屋に入ると、勢い良くベッドに倒れ込んだ。



「ふぃ~…」


何か、疲れた…。



真弘の事では、もう泣かないって決めてたのになぁ~…。



「はぁ~…」



もう十数回目の溜め息を着いた時、恋奈の明るい声が聞こえてきた。


「たっだいま~!!愛ちゃんいる?」



重い体を起こし、階段を降りていく。



「おかえりー。約束通りケ―キ買っといたよ」


「ありがとー!!」


嬉しそうな顔をする恋奈の手に白いケ―キの箱が握られていた。



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