だぶるっ!!
「え…?恋奈、それ…」
アタシは箱を指差した。
「ん?あ、これ?ま―君が買ってくれたの」
ドクンッ。
心臓が嫌な音をたてる。
「心配しないで!!愛ちゃんのもあるから!!ほらっ!!」
そう言って箱を開けると、フルーツタルトとチーズケ―キが1つずつ入っていた。
「生徒会のお手伝いしてくれたお礼だって!!へへ~。ケ―キを2つも食べられるなんて超ラッキー!!」
無邪気に笑う恋奈の声が、どこか遠くで聞こえるような錯覚に陥った。
「どっちから食べようかな~っと。あれ?愛ちゃんもチーズケ―キ買ったの?」
「ああ、うん…」
「カブっちゃったね」
「2つ食べるから…」
「マジ!?愛ちゃんって本当チーズケ―キ好きだよね~」
うん。好きだよ。
だって、真弘が好きだから…。
だから好きになったんだよ?
アタシの不自然な態度に気付かない恋奈は、更に話を続ける。
「本当に今日はラッキーな日だなぁ~。翔太君にも会えたし」