だぶるっ!!

「関に会ったの?」


「うん!!生徒会室向かう途中にばったり」



「その時真弘は?」


「いたよ~。そうそう、ま―君に引っ張られてあんまり話し出来なかったんだよね~」



うそ…。


それ、ヤバいじゃん。


「翔太君、良い人なのに。どうしたら分かってくれるんだろう…」



恋奈が子犬のようにシュンとうなだれた。


そういった仕草も愛らしく可愛い。



「うん、そうだね…」


一生分かってくれないだろう。


真弘が恋奈に恋愛感情を抱いてる以上は…。



「チーズケ―キ頂戴」


「1つ?」


「ううん、2つとも」


はい、と渡されたチーズケ―キを持ち、アタシは再び自室に戻った。


「愛ちゃん、2階で食べるの?」


「うん、まぁ…」


「コーヒーか紅茶いる?」


「いいよ。いらない」



駆け足で自室に入ると、バタンと音をたててドアを閉めた。


恋奈と同じ部屋じゃなくて良かった…。


こんな酷い感情を悟られたくない。



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