だぶるっ!!
「あんまり、関翔太君には近づかない方が良いんじゃないかな…?」
驚きで声すらも出なかった。
「いや、ほらっ。彼、ここらでも有名な不良だろ?変な噂もいっぱいあるし…」
うん。ま―君が言いたいことは分かる。
翔太君には、補導の常連とかクスリやってるとか、あるヤクザの組を崩壊させたとか、いろんな噂がたっている。
そんな人物のそばに、自分の知り合いがいるのは不安かもしれない。
でも…。
私は決めたんだ。
あの人のことをもっと知って、私の気持ちを受け入れて欲しいって。
決めたんだ。
「ごめん、ま―君今の私には近づかないなんて出来ない」
「恋奈…!!」
ま―君は悲しそうな顔を見せた。
「翔太君はきっと…。ううん、絶対噂通りの人じゃない。みんなが信じてくれないなら、私が証明してみせる!!」
意志を込めた瞳で、ま―君を見つめる。
ま―君は、諦めたように首を振った。
「俺は、恋奈の為に言ってるつもりなんだ。それだけは分かって欲しい…」