だぶるっ!!

「あんまり、関翔太君には近づかない方が良いんじゃないかな…?」



驚きで声すらも出なかった。



「いや、ほらっ。彼、ここらでも有名な不良だろ?変な噂もいっぱいあるし…」


うん。ま―君が言いたいことは分かる。


翔太君には、補導の常連とかクスリやってるとか、あるヤクザの組を崩壊させたとか、いろんな噂がたっている。



そんな人物のそばに、自分の知り合いがいるのは不安かもしれない。



でも…。


私は決めたんだ。


あの人のことをもっと知って、私の気持ちを受け入れて欲しいって。


決めたんだ。



「ごめん、ま―君今の私には近づかないなんて出来ない」


「恋奈…!!」



ま―君は悲しそうな顔を見せた。


「翔太君はきっと…。ううん、絶対噂通りの人じゃない。みんなが信じてくれないなら、私が証明してみせる!!」



意志を込めた瞳で、ま―君を見つめる。


ま―君は、諦めたように首を振った。


「俺は、恋奈の為に言ってるつもりなんだ。それだけは分かって欲しい…」



< 7 / 37 >

この作品をシェア

pagetop