【完】ポケット-幼なじみ-
駅に着き人が少ない電車で
当たり前のように隣に座る。
エアコンが効き過ぎて少しだけ肌寒い。
「……寒くない?」
しばらくしてから隣で俯いてた歩夢に聞いてみる。
「………。」
返事が無くてちょっとだけ動こうとした時だった。
電車が少しだけ傾いて歩夢の
顔が俺の肩に寄り掛かった。
――――――――ドキっ
また、心臓が大きく鳴った。
顔を覗き込んでみると
どうやら寝ているらしかった。
どうせ、昨日…眠れなかったんだろう。
もう少しこのままにしておこう。
………今だけ。
歩夢にはヒミツにしておこう。
そっと
心の中で呟いて目を閉じた。