【完】ポケット-幼なじみ-









「……………これ乗ろ?」







と歩夢が無邪気な笑顔を向けて言う。











歩夢が指差したのはジェットコースター。









「……いいよ、

 じゃあ券買って来るから
 ここでちょっと待ってて。」









「うん!」








頷いたのを確認して券を買いに行く。












券を買い終えて自動販売機でペットボトルの飲み物を買おうとした時だった。









「すみません!
 ちょっと宜しいでしょうか?」







と後ろから声をかけられた。













二十代前半くらいの女性と

その後ろにはカメラを

持った男性が数人いた。












「今、遊園地で見かけた
 イケメンな男の子特集を…」



「すみません。
 人を待たせているので。」







ニッコリと笑顔で言って

自動販売機の取り出し口から

飲み物をとって、背を向けた。








「逃がしていいの?勿体ないわ。

 あんな男の子そういないわよ」








後ろでそんな声が聞こえたけど気にしなかった。
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