【完】ポケット-幼なじみ-
……………………やばい。
とうとうやってしまった……。
今閉めたばかりの
ドアに寄り掛かりながら、
全身の力が抜けて床に座り込む。
……キス、したなんて―……。
理性が抑えきれなかった。
どうして、抑えきれなかったのだろう。
今更ながら後悔の波が押し寄せる。
「…なに…やってんだよ俺…。」
戸塚先輩には気をつけろ、
って散々言ってるくせに1番
危ないのは自分だったなんて。
…………信じられない、自分が。
―――歩夢自身を、
今まで大切にしてきたのに、
小さな頃から大事に守って来てたのに。
それが歩夢との約束だったから。