【完】ポケット-幼なじみ-


……………………やばい。







とうとうやってしまった……。







今閉めたばかりの


ドアに寄り掛かりながら、


全身の力が抜けて床に座り込む。







……キス、したなんて―……。







理性が抑えきれなかった。






どうして、抑えきれなかったのだろう。





今更ながら後悔の波が押し寄せる。









「…なに…やってんだよ俺…。」









戸塚先輩には気をつけろ、

って散々言ってるくせに1番

危ないのは自分だったなんて。










…………信じられない、自分が。











―――歩夢自身を、

今まで大切にしてきたのに、





小さな頃から大事に守って来てたのに。








それが歩夢との約束だったから。
< 112 / 318 >

この作品をシェア

pagetop