【完】ポケット-幼なじみ-



「…こっち向けって」







涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔なんて、はる君には絶対見せたくない。








「……やだ」








そんな私を見てはる君は大きなため息をついた。










ほら、やっぱり私ははる君を困らすことしか出来ない…。











気配ではる君が少しだけ近くに来たのがわかる。







今は…早くどっか行って…っ









「…じゃ、こっち向かせるよ?」









はる君がそう言った。









「…………。」







何も言わずにただ首を横に振っていた私をみてはる君が顔を隠していた腕を引っ張る。










「いやだやだやだっ…」








そう言いながらもやっぱり引き剥がされてしまった。





私の顔を見たはる君は再び目を丸くした。




「………ぁ…う…っ」



ベッドに座りなおすと何かの糸が切れたように次から次へと涙が出てきた。





我慢なんてもう出来ない。





とっくに気持ちも涙ももう溢れ出してる。



熱のせいで感情のコントロールも全く出来なくて。






ただ泣いてる私の身体をはる君が引き寄せて優しく包みこんだ。



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