【完】ポケット-幼なじみ-

はる君が優しく








背中をさすってくれる。










だけど涙は止まらくて。







はる君がゆっくりと





私の肩を離して私を見た。










「…そんな顔すんなよ」











優しくはる君が指で私の涙を拭いていく。







「俺、まだ何も言ってないじゃん。」







眉毛を下げて微笑むはる君。











はる君は困った時に、今みたいに眉毛を下げて微笑む。









「それにさっきも言ったじゃん。歩夢のが大事だって」













わかってない、はる君は。











ねぇ、はる君。






『歩夢のが大事だから』





なんてそんなこと言われたら



普通の女の子だったら…

期待、しちゃうよ。









でも、幼なじみというだけの関係の私にはきっとその言葉に意味は無いから。