【完】ポケット-幼なじみ-
だいぶ熱も下がって
起き上がり下のリビングに
入るとはる君が
静かに椅子に座っていた。
気付かれないように近づいていくと寝ていた。
はる君の右手に目を
やると何かを握っていて、
何だろうとはる君の手から
起こさないようにそっと
取っていくとさっき
もらったらしい名刺だった。
「……………嘘ばっか。」
ぽつりとつぶやく。
はる君は、私の物でもない。
―――――もう大丈夫。
…………きっと、言えるから。