【完】ポケット-幼なじみ-
………………気持ち悪い………、
目からはさっきよりも大粒の涙がながれる。
はる君……はる君…………っ。
長い間押し付けられてやっと離れたと思うと首にキスされる。
大事にファーストキス、とっておいたのに……。
もうなにもかもが嫌になった、
そんなときだった。
─────────♪〜
さっきポケットに入れた携帯が鳴った。
お兄さんの動きが再びとまる。
この着信ははる君だ──…。
でも、もう駄目だよ─…。
お兄さんは一瞬、嫌そうな顔して鳴りつづける携帯をそのままにして、また私の唇にキスをしようとした。
─────あれ?……何もない。
それに私の上にのっていた体重がなくなった。
つぶっていた目をゆっくりと開けた。