【完】ポケット-幼なじみ-
涙でぼやけて見えない。
やっと腕に少しだけ力が入ってゆっくりと起き上がり座る。
…何が…起き…たの……………?
しばらくぼーっと見ていると
パトカーの音が聞こえて来て、
色々と話していた。
「…………歩夢っ!!」
突然、大好きな声に名前を呼ばれて大好きな匂いがした。
「は…る……くん……?」
口にだすとぎゅっと優しい腕に包まれた。
「…………っ、
…はる君……怖…かっ…た…」
震える私を抱きしめるはる君。
はる君の首にそっと自分の腕をまわす。
…多分、たくさん走って来てくれたんだ。
かすかに汗のにおいがする。
でも、はる君のいつもの匂いに瞬時安心した。