【完】ポケット-幼なじみ-
長い風呂から出るとドアを
目の前にして、熱い頬を横に
思いきり引っ張ってから
顔をパンパン、と両手で叩く。
「……よし、大丈夫。」
ガチャリ、とドアノブに手を掛けようとすると突然ドアが引いた。
「…あ、わっ」
体重が全て前にいってた為、前に倒れそうになった私をはる君が支える。
「…っと、…ごめん。」
はる君が腕で支える。
「う、ううん…私こそごめんね」
顔をあげると近くにある、はる君の顔に急に胸が苦しくなるけど、そのまま真っ直ぐに見つめて、一つ深呼吸をして震える口を開いた。
「あの、さ………」
自分でもわかるくらい声が震えていた。