【完】ポケット-幼なじみ-


「……しい。」








「ん?」







「…やっぱり、だめだよ。

 …私…のため
 なんかに諦めないでほしい。」





本当はやってほしくない。



矛盾してるなんてわかってる。





でも、わかっているからこそ悲しい。





「……………え?」







不思議そうに私の目を見る。









つい、目をそらしたくなるけど

絶対に今はそらしちゃ駄目だ。










「………のぼせてる?」







「のぼせてない。」







はっきりと答えてから買い物行く前に寝ていたはる君の手から奪ったソレをポケットから出して見せる。






「……電話、しなよ。」










無理矢理、はる君の手をつかんで渡す。






はる君はソレを見てさらに目を丸くした。
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