【完】ポケット-幼なじみ-
唇に触れたのは…はる君の手
なんかじゃなくて、唇だった。
はる君の熱が唇から伝わってくる。
熱くて、風邪ひいてたことを思い出させる。
なんで……キスなんか…してるんだろう?
―――――――――ドンドン、
上にいるはる君の胸を思いきり叩いて離れさせる。
「…っ…はぁ」
走って来たときよりも荒い息遣いで、私は体勢を整えてから口を開く。
「キスなんか…しないでよ…
…っ…はる君…なんて
馬鹿…馬鹿…ば…かっ…ん」
力強くぐいっと下に向いてた
私の顔を両手であげると私の
止まらない口をはる君が再び塞いだ。