【完】ポケット-幼なじみ-




「………んんっ………」






緩んでた私の口のなかにはる君が、入ってくる。







そんな時だった、









「水瀬ー―…。どこ行ったー?
 撮影開始だぞー」








監督らしき人の声が聞こえたのは。













一瞬、動きをとめてから







「………ごめん。」








ハッと気が付いたかのように、はる君はそういって、立ち上がりフラフラなまま戻ってしまった。













はる君がいなくなったあと、自然と瞳から涙が溢れ出した。









はる君に触れられた唇が、熱い…









………ほんとに、はる君の馬鹿。










私の気持ちも知らないで、唇も心の中も掻き乱すだけ乱して行って――…。
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