【完】ポケット-幼なじみ-







「………ふあ」







授業中、隣のはる君がまた欠伸をした。












毎日朝早くから撮影で眠いんだよね。今日で欠伸、何回したかな……。







暫くしてからまたはる君を見るとうとうとしていた。










うわ……








すっごい………………貴重だ。










はる君が、うたた寝してるなんて。









右手で持っているシャープペンが左手にささっちゃいそうで危なそう。









そっと取り上げようとシャープペンを触るとはる君が、はっと目を覚ました。









「びっくりした…」







ぽそ、ってつぶやくように小声で言った。







「シャープペンが
 危なかったからとろうと
 したんだけど…ごめん。」







「…うんん。ありがとう」









ぽんぽん、って頭を撫でられた。










久しぶりにやられたから、いっきに顔が赤くなった。
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