【完】ポケット-幼なじみ-
はる君は机の上で左腕を枕にして下から私をみる。
ちょっと上目づかいだから不覚にも可愛い、ってときめいてしまう自分がいる。
「…学校来たいし、
まだ俺には先があるから。」
「………そうなんだ。」
少しだけ冷たく返すとはる君は自分の右手を私の顔へとのばしてくる。
「あれ…?喜んでくれないの?」
不安そうに言い、私の頬を横に引っ張った。
「……嬉しいよ?」
なるべく無表情を保ちつつ言った。
本当はもっと喜びたい気持ちでいっぱいだったけど、授業中だったから。
一回、顔を緩めてしまえばずっと緩んでそうだったから。