【完】ポケット-幼なじみ-
―――――――カチカチカチ
授業中、真井さんのボールペンのノック音だけがずっと教室に響く。
さっきから授業だけに集中したいのに、出来ない。
真井さんに対してのイライラがどんどんと積もっていくからだ。
初日くらい、おとなしくしててもいいのに。
一日中、こんな感じだった。
そろそろ我慢できなくて、真井さんに対して怒りの感情が溢れ出しそうになってカタン、と椅子を引いた途端に教室のドアが開いた。
「――すみません」
そういいながら入って来たのははる君だった。