【完】ポケット-幼なじみ-
『水瀬くん』
はる君の名を甘ったるい声で呼ぶのは彼女で、毎日毎日はる君のとこに来ては話して。
正直、まだ数日しかたってないのに私はぐったりしている。
「……はぁ、音楽行こ。」
ため息をつきながら立ち上がると彼女はわざと聞こえよがしに
「水瀬くん、一緒に行こ?
音楽室わからないからぁ」
とはる君にべたべたと触りながら大きな声で言った。
ボディータッチは激しいしもう見てられない。
最近ははる君と彼女がいるところを見るのがしんどくて無視してさっさっと一人で行く。
今日も一人で行こうとしてずんずんと歩いているとパシッと誰かに腕をつかまれた。