【完】ポケット-幼なじみ-





小さいと思っていた輝くんの身体は思ったよりも大きくてたくましくて私の顔を隠してくれた。















「ごめん…ね…っ」











涙が止まった時にはもう音楽の授業は終わってて、クラスの人達は教室に帰って来た。














「いーよ、別にこれくらい。」









びしょびしょになってしまった制服をみながら謝る私に輝くんは眩しい笑顔を向けた。









「輝に歩夢ちゃん二人で
 サボってなにやってたんだよ。」










当然、私と輝くんが授業に出ていないと気付いた人達は私達二人に聞く。













きっと目はおかしいくらい真っ赤に腫れているから気付く人はいるかもしれないけど。










まさか泣いてた、なんて言えるはずもなく困っていると輝くんはちらっと私をみて“内緒ね?”と口パクで告げた。









頷くと輝くんはニッと笑って












「相談のってもらってた〜」








と言うとそれで納得してくれたのか、なーんだと言ってつまらなそうに教室を出てった。
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