【完】ポケット-幼なじみ-






「…ありがとう」









笑顔で言う。









嘘の笑顔じゃなくて、心からの笑顔だった。









「――ん。


 てか、陽斗にも内緒な?」








ぐっと私の手を引っ張って膝を曲げさせて耳元で呟いた。











「――うん。」








はる君を見ながら頷くと不意に目が合ってしまった。








ズキズキと胸が痛むけど、泣く前よりは痛みは和らいでいた。











パッと先に視線を外したのははる君の方だった。













大丈夫、あと少しではる君とは毎日、話せる日が来るはずだから。

















………………ほんの少しの我慢。
< 243 / 318 >

この作品をシェア

pagetop