【完】ポケット-幼なじみ-
保健室に来たものの先生はいなくて近くにいた先生に保健室の鍵を開けてもらった。
「……いたたたたっ」
消毒液が染みたらしく顔を歪ませる。
「…あ…っ、ごめん…」
謝りながらひたすら手を動かす。
千夏の白い肌には似合わない痣や血がとても痛々しかった。
「やっぱりまだ力戻らないや〜
いつもの力だったら
きっと倒れてなかったよねー」
なんていいながらわざとらしく明るく振る舞って笑う千夏はおかしくて、一回黙って見つめる。
「……どうして…止めたの?」
さっきから気になっていた疑問を口にだす。
「……なにが?」
へへっと笑いながら言うから私は真っ直ぐに千夏を見て言う。
「ごまかさない…でよ…」
静かな保健室はなんとなく、嫌な予感を考えさせられた。